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平日の朝8時前、王子駅。京浜東北線の脇にある頼りなげな線路の上に、赤いディーゼル機関車に牽かれた貨物列車が姿を現す。1両、2両とゆっくり通りすぎる、全部で18両。ハワムと書かれた貨車の車票には「北王子、印刷用紙」の文字が読める。
そう、この列車は日本製紙石巻工場(宮城県)から東京への製品輸送の列車なのだ。石巻工場での生産量は1日あたり約3,000t。この内約1,200tを貨車で運んでいる。
石巻から東京へは専用貨物列車が2本設定されている(5180、5182列車)。各列車は15t積み40両の編成、つまり1本当たり600tの輸送能力なのだ。コンテナ列車化の進む中で、全国的にも珍しい存在だ。各々の列車は石巻を夕方出発し、翌日の朝から昼にかけて都内東十条にある日本製紙物流/東京事業所に到着する。
トラック輸送の全盛時代になぜ貨物列車をメインにしているのだろうか。それはまず貨車輸送の条件が整っているいるからだ。石巻工場内に側線があり、工場内の倉庫から製品積込みができる。また、受ける側の日本製紙物流側も側線があり、貨車から直接倉庫への搬入が可能になっている。それに、東京との距離が350kmと1日で着く範囲である。(これより遠いとよりスピードの速いコンテナ列車になる)。
さらに、鉄道輸送はエネルギーの使用量、CO2の排出量という面で、環境に対しても優しい。同じ物を運んだ場合、エネルギーの使用量はトラック>鉄道>船という順になる。輸送手段も適材適所、石巻工場では納期、納入先などその時に応じ、 貨車、コンテナ、トラック、フェリーの中から、最も適当な手段を選択している。
近年の再生紙需要の増加に伴い、石巻工場でも古紙処理設備を増強している。古紙の利用は資源節約につながる。環境に優しい紙を生産するだけではなく、それを運ぶ手段も環境に優しいものにしたい。
<用語解説>
専用貨物列車:特定の荷主のために設定された列車、紙のほかにセメント、石油などが代表的なもの。
ワム80000:紙輸送に使われる15t積み有蓋車。
鉄道コンテナ:5t積で、全国に発送可能。
トラックと同様の荷扱いができる両側2方開きが主流になってきている。
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