日本製紙株式会社日本製紙洋紙営業本部




様々な産業が植林事業に目を向け始める

 1998年6月29日、日経新聞にトヨタ自動車が三井物産、日本製紙と共同で植林事業に乗り出すとの記事が掲載された。
 トヨタ自動車では、21世紀に向けて「環境問題」と「食糧問題」の深刻化が予想される中、98年1月から事業開発部内に専任組織を設置し、アグリバイオ・環境緑化事業の検討を進めてきた。
 同社は、これまで培ってきた樹木の研究成果を、世界各地の植林・バイオ技術研究で実績を持つ日本製紙(株)との共同研究を通じて更に発展させ、高生長・耐乾燥性に優れた樹木を開発し植林を進めていく。
 先の地球温暖化防止京都会議で温室効果ガスの排出量削減が決定されるなど、地球規模での環境への対応が大きな課題となっている中、植林事業を通じて二酸化炭素が固定化されることにより、地球環境の改善に貢献することが大いに期待される。
 今回の事業は、
  ・地球環境改善に貢献すると共に収益性にも優れた事業に発展させたいトヨタ自動車
  ・将来の製紙原料確保のため世界各地でツリーファーム構想を展開している日本製紙
  ・豪州の植林事業で実績のある三井物産の3社の思惑が一致し、異業種間の提携が実現したものである。
 現在、製紙会社と協力し、様々な業種の企業が、この分野に参入してきている(富士ゼロックス、講談社、電源開発、小学館、東北電力、東京電力、関西電力、中国電力、など)。

日本製紙のツリーファーム構想

 日本製紙のツリーファーム構想は
  ・2008年を目標に、
  ・植林面積10万ha以上、
  ・年間チップ供給量100万絶乾トン(BDT)以上を掲げている。
 100万BDTのチップとは、日本製紙が年間に使用する広葉樹チップの1/3前後、具体的には65〜70万トンの上級紙が生産できる量に相当する。
 植栽樹種の条件としては、生長が早い・パルプ適性が高い(収率・容積重が高い)・気候害や病虫害を受けにくい等が挙げられる。これらを勘案した上で、チリと豪州ではユーカリ・グロビュラスを、南アフリカではユーカリ・グランディス他ユーカリ数種とアカシアを植林している。
 この3国では、伐期(伐採までの期間)は一般的に10年前後、また年間生長量は20〜25・m3/年・ha程度であるが、これは日本の森林で最も生長の良い九州のスギ人工林と比較しても、2〜2.5倍の生長量に相当する。また中国・ミャンマーでは、亜熱帯性で生長の早いユーカリ・ユーロフィラ、ユーログランディスを植栽している。
 現在、着手している上記5カ国の植林が完成(成林)すると、目標面積の10万haに対し合計で8万ha強となる見込みである。ちなみに1999年末には約2万8千ha(山の手線内側の4.5倍相当)の植林が完了する見込みであり、おおむね順調に事業展開していると言える。
これらの取り組みの結果、2002年にチリ(1992年に植林事業を開始)から、日本製紙自身が植栽した植林木のチップが初めて入荷される予定である。
 このように植林は非常に長いスパンを必要とする事業であり、製紙会社は原料確保のために時間をかけて地道に取り組んできた。それが、昨今の環境意識の高まりの中で、異なる面から脚光を浴びているのが現状ではないだろうか。


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