日本製紙株式会社日本製紙洋紙営業本部



 

 紙のやわらかさを評価するのに「剛度試験」が用いられる。剛度(こわさ)は、紙の曲折に対する抵抗性であり、理論的には、この性質は厚さの3乗に比例し、弾性係数に比例する。また、水分含有量により変化する。
 一般的に紙厚が厚くなると同時に“こわさ”がでる。
 こわさを必要とする用紙、例えば、カード用紙やダンボールの中芯等には、こわさがでるようなパルプが選ばれて使われている。これとは反対に、ティッシュ、紙タオルなどには高いこわさは好ましくない。
 印刷用紙においては、「こしが強い弱い」という表現が一般的に用いられているが、こしが弱いとオフセット印刷機での給紙・排紙が困難になり、スピードがあげにくくなる。
  しかし、書籍や雑誌の本文に用いる場合、特に頁数の多いものではこしの弱い方(しなやか)が好まれる。
 当社のオペレッタソフトは、機械パルプの厚さがでる特徴を利用しながら、一方で同時に発生するこわさ(こしの強さ)を技術で解消した、いわば相反する要求にチャレンジした製品である。


 平滑度は、紙の表面の平らさ、滑らかさを表すものです。
 平滑度の測定方法は、一般的にベック式、王研式が知られています。共に、空気を用いて紙の平滑度を測定します。
 その測定方法は、A(標準板)の上に計測したい面を下向きにしてB(紙)を乗せます。その上にC(錘)を乗せ、D(接続管)の中の空気を抜き減圧してゆきます。Dの空気が減圧されると、E(蒸留水)は上昇(目盛α→β)します。蒸留水の目盛がβに到達した時点で、減圧作業を止めると、AとBの間からDに空気が進入し、蒸留水がβ→αに下降します。その時間を計測したものが平滑度です(平滑度の単位 はsec)。ベック式ではその空気の流入量 は10mlになるよう設計されています。 つまり、紙の表面が粗く、AとBの間に隙間が多い程、空気が流入しやすいのでβ→αの時間が短くなります(平滑度が低い)。逆に、紙の表面 が緻密で、AとBの間に隙間が少ない程、空気が流入しづらいのでβ→αの時間が長くなります(平滑度が高い)。
  平滑度は
1)表面性(肌、風合)
2)光沢
3)インキ受理性
4)嵩
の四点に大きく影響します。
 当社のエスプリコートは、キャストドラムの鏡面を写し取ります。ですから、平滑度・表面 性・光沢・インキ受理性に加え、スーパーカレンダーでつぶしていない分、嵩の面でも優れている紙と言えるでしょう。



 GPは、丸太を原料に使います。回転する砥石に丸太を平行に押しつけ、摩擦力によって木材を摩砕して繊維化します。単純な方法だけに、木材からパルプを取り出す方法としては、最も古い作り方になります。イメージとしては、巨大なコーヒーミルの様なものでしょうか。実際にはコーヒー豆の代わりに丸太がごろごろしていますが。
 このような作り方のため、GPの大部分は、破断した繊維及び、繊維の束で占められます。更に疎水性のリグニンで繊維の表面 がおおわれています。
 この為、GPが多く含まれる紙を作ると、繊維と繊維の間の結合が少ない紙ができます。この紙は繊維が短く剛直なため、強度がやや低いものの、嵩高で、不透明度が高く、クッション性があり、印刷適正のよい紙が出来るのです。
 また、リグニンを残した状態で使っているため、比較的短時間で変色しやすくなりますが、吸油性、透気性がよいので、印刷時のインク吸収が早いという特質を持ちます。
 従って、GPは、比較的使用期間の短い新聞用紙、週刊誌の本文用紙などによく使われています。


 サーモメカニカルパルプは、製材工場の端材からも作られる木材チップを原料としています。
 そのチップを、高温・高圧下におき、繊維と繊維の接着剤の役割をしているリグニンを柔らかくした状態で、すりつぶすことによって、繊維を得ます 。
 ここからの工程はGPと同じ様に、機械ですりつぶすのですが、GPに比べると、軟らかくしている分だけ、繊維が傷つくことも少なく、従って、紙にした場合、紙力の高いものなります 。
 このような特徴を持つTMPは、新聞用紙、微塗工紙、中級印刷用紙などに用いられています。
 また最近では、機械ですりつぶす前に化学処理する方式もあります。こうして出来るパルプはCTMPと呼ばれます。このパルプの特徴は、すりつぶす際、繊維がほぐしやすいだけでなく、白色度も向上するというメリットがあります。


  新聞、雑誌などの古紙を資源として再利用するには、まず大きな異物をとり除き、次のような工程でインキを除去し、パルプ化する。
(1) 古紙の離解とインキの剥離
  巨大なミキサー(パルパー)の中で、古紙、水、薬品(苛性ソ−ダや脱墨剤など)を混ぜ、物理的な力で一本一本の繊維に解きほぐし、同時に繊維上のインキを剥離する。この状態では、まだ原料は真っ黒。
(2) 異物の分離
 形状分離装置(スクリ−ン)、比重分離装置(クリ−ナ−)を使用し、この時点でまだ古紙に混在している異物(砂、ビニ−ル、プラスチック・雑誌の背糊など)をとり除く。
(3) インキの分離
 泡発生装置(フロ−テ−タ−)で、剥離したインキを、泡の表面に付着、浮上させ、繊維とインキを分離する。この状態になると原料に明るさが出てくる。
 用紙に白さが要求されるものには、物理的な力を強く与える装置(ニ−ダ−やディスパイザ−)で、さらに繊維からインキを剥離させる。また、漂白薬品を用いて白色度を上げることもある。


 カラーとは、塗工紙用の塗料。塗工紙は、原紙の表面に、白ペンキのようなカラーを塗ってつくる。
 一般的な塗工紙は、約2/3がパルプからなる原紙層、残りの約1/3がカラーによる塗工層だ。カラーを塗布する目的は、紙の平滑性を高め、白紙と印刷物をより美しく仕上げるためである。
 塗工紙の光沢度、色合いや印刷品質は、塗工カラーの主構成材料である顔料の種類、顔料粒子の大きさなどによって概ね決定されるといってよい。顔料には、白色の鉱物が用いられ、中でも炭酸カルシウムと六角板状のカオリン(白陶土)を主に用いる。通常、数種類の顔料を目的に合わせて、ブレンドする。
 しかし、顔料を水に溶かして紙に塗るだけでは、ポロポロと剥がれてしまうので、カラーには接着剤として主にラテックスと呼ばれる合成樹脂や澱粉を配合する。顔料と同様に用途(印刷方式等)や品質に合わせて、接着剤の種類や組み合わせを選択し、さらに必要な薬品をカラーに添加していく。
 さて、カラーは、塗工機で原紙に均一にムラなく塗り、塗工面を美しく仕上げるために、原紙の特性、塗工機のタイプや速度、仕上げ処理等を考慮に入れ、顔料・接着剤を選択し、さらにさまざまな添加剤を使用し、最適カラー性状(粘度・濃度)に調整する。
 均一にカラーを塗った塗工紙はマット品に仕上げ加工し、また、ダル品・グロス品はスーパーカレンダーなどの機械で表面を高平滑化し、光沢を付与した後、仕上げ加工する。
 当社の「U-ltimax」のカラーには、高い印刷品質を達成するために顔料や接着剤、添加剤に関するさまざまな最新の技術が詰まっている。



  木材(チップ)は、セルロースが主成分の繊維部分と繊維同士を接着する役割をもつリグニンなどからなる。
  KPをつくるには、このチップに薬品(「白液」)を加え、蒸解釜にて高温高圧下で蒸煮し、繊維をとり出す。このとき、繊維以外のリグニンなどが「白液」中に溶け出し、「黒液」と呼ばれる溶液となる。この「黒液」は、紙を製造する上で非常に重要なエネルギー源として利用される。
 KP製造過程で得られる「黒液」(濃度20%程度)は、そのままでは燃料とはならないが、エバポレーターという装置で70%程度まで煮詰めると、回収ボイラーでの燃焼が可能となる。「黒液」中の有機分を燃焼させ、発生するエネルギーを蒸気・電力に変換し、工場内で利用する。
 一方、「黒液」を燃焼させた後に残る無機分は水に溶け、「緑液」となる。これを、製薬工程で、もとの「白液」にもどし、蒸解工程で再利用する。
  このように、KPはエネルギー利用や化学薬品の再利用が可能であることから、経済的であり、環境面 においても合理的な製法だ。そのため、KPは古紙パルプを除く国内パルプ生産の約80%を占めている。