日本製紙株式会社日本製紙新聞営業本部

新聞営業本部
新聞用紙事情
新聞用紙のリサイクル
ご意見・お問い合わせ


通算18号 有楽町かわら版 2001年(平成13年)10月1日 (季刊)
日本製紙株式会社 取締役石巻工場長
大即 信行
 シリーズ第4弾は世界一の印刷用紙工場をめざす不沈旗艦・石巻工場の大即工場長に伺いました。石巻工場は臨海工場として立地条件に恵まれ、多彩なパルプ設備、11台の抄紙機(マシン)と3台の塗工機があります。洋紙全体の年産量は90万トンでユニパックグループの基幹工場です。峻別と集中の時代にあって、集中すべき石巻工場の目標と重点対策を語って頂きました。

●第3次中計について

前田 早速ですが、今年は第3次中期計画(3カ年)の初年度です。石巻の目標と重点対策をお聞かせ下さい。

大即 基本方針は「国内トップの競争力を有する印刷用紙工場を目指そう」ということです。ここしばらく石巻工場はマシン建設等の大型の設備投資がされていません。次の大型投資に備えて基盤を強化することが中期計画の重点対策になります。

前田 具体的にはどういうことでしょうか?

大即 収益目標としては売上高総労務費比率を11.5%以下にすることです。これは極めて高い設定ですが、努力していきます。重点対策としては、省力化の推進、回収ボイラーの更新やGPレス化の推進等の基盤整備、品質レベルアップ、最大生産効率の追求、目標ゼロへの挑戦等があげられます。


●「目標ゼロへの挑戦」

前田 目標ゼロとはどういうことですか?

大即 当工場では、「ゼロへの挑戦」ということで、「断紙」、「選別」、「クレーム」、「故障停止」等についてゼロに近づけるべく頑張っています。そして、この実現のために、従業員に「志」を持つようにいつも言っています。「志」とは、積極的に何かをしようという気持を持って、それに向けて努力を続けることを意味します。例えば、長期間にわたってクレームのない商品はありませんが、クレームゼロに向けてあらゆる角度から厳しく取り組むわけです。マシンの断紙を減らすためにもいろいろな条件があり、それぞれの問題について粘り強くクリアしていかなければなりません。まず断紙については5回/月以内を目指しており、当工場のN3新聞用紙マシンでは、最近それをクリアできるレベルになりました。

前田 勇払工場の新聞マシンでは、断紙が3回/月以内という驚異的な数字を達成しています。これも大即工場長の在任時でしたね。

大即 N3マシンもそれに向かって挑戦しているところです。最近1カ月半ほどは断紙ゼロが続いています。


●N6マシンはいつ?

前田 さて新設備への投資についてどのようにお考えでしょうか?

大即 S&B(スクラップアンドビルド)になると思いますが、中長期的な視点では新マシンの増設に向け、既に用地、用水等の確保はできていると考えています。

前田 日和港埋立地についてはすぐに利用できるのですか?

大即 日和港埋立地というのは、現在の石巻工場の南側の海を埋立てたものですが、7万坪の購入契約を今年の3月に済ませたばかりです。例えば、N6、N7という2台の新マシンを増設するとすれば、現在の敷地に入るスペースは有りますが、チップ等の原材料置場をどこかに移さなければなりません。今のところこの原材料置場を日和港に移してはどうかと考えています。また、日和港は水深が13mもあるので、チップや石炭の荷揚げも可能です。

前田 統合との関係はいかがですか?

大即 日本ユニパックホールディングは統合効果を早急に発揮すべく、諸対策を検討し実施に移していますし、日本製紙は以前から峻別と集中を実行中です。当工場としては3次中計を確実に実施して4次中計にバトンタッチしていきたいと考えています。石巻工場はこれからも徹底して合理化を進めていきますが、さらに生産性を向上させるためには大型マシンの増設が待たれますね。


●環境への取組み

前田 環境への取組みについて需要家にわかりやすいように教えて下さい。

大即 「ゼロへの挑戦」にも通じますが、製造工程から排出される廃棄物を極力ゼロにしていくゼロディスチャージ運動に取組んでいます。平成12年度には廃棄物を総生産高比で0.1%以下にすることができました。現在はこれを0.01%にすることを目標にしています。

前田 年産90万トン、製品500種類の大規模工場で大変な活動ですね。

大即 環境ISOを取得して3年目ですが、廃棄物ゼロだけではなく、省エネや節水、古紙利用の推進、損紙や薬品の削減等にも積極的に取組んでいます。需要家の取組みと共通するところもあるかもしれませんね。企業活動のあらゆる面で環境保全に配慮して社会に貢献することは時代の要請であると考えています。


●アジアとの競争

大即 今年の1〜6月累計で、PPC(コピー用紙)は10万トン弱が輸入されていますが、そのほとんどがアジアからのもので、国内需要の25%が輸入品になっています。コート紙等も約20万トンがこの半年で主に東南アジアから輸入されていますが、まだまだ薄物を抄造する技術では国内メーカーが有力だと思っています。紙パルプも世界的な大競争時代を迎えていることは確かですね。


●知行合一、常に現場

前田 石巻は4回目4年目の勤務だとか?

大即 マシンの建設工事助勤2回を含めて、今回は4回目です。釧路・勇払工場等にも勤務しましたし、また施設屋として関係会社も含めて生産設備の建設に数多く参画してきました。これらの経験から、「知識と行動をいっしょにする」という王陽明が唱えた「知行合一」を座右の銘としています。また「常に現場ありき」という「常在現場」も大切にしています。

前田 「かわら版」の読者は東北6県の新聞社はもとより、NPiコートやピレーヌDX、NPi上質等の洋紙もご使用になる全国の新聞社です。メッセージをお願いします。

大即 平素から石巻工場製品にご愛顧を賜わり心から感謝申し上げます。素早い対応によってユーザーとの相互信頼関係を築くことがまずもって大切だと考えております。石巻では平成10年10月に軽質炭酸カルシウムの製造設備を完成させ、中性紙化に取組んできました。お蔭様で、嵩高で不透明度の高い新聞用紙を開発することが出来ました。また「ダイナピュアシルク」に代表される高白色コート紙の新製品も開発しています。当工場は、化学パルプ・機械パルプ・古紙パルプ等多彩なパルプ設備を有し、あらゆる種類の印刷用紙を生産しており、また原材料の搬入に有利な臨海工場であることや、首都圏に近い、等々の有利な立地条件を有しており、ユーザーに魅力的な製品をご提供できるものと自負しております。この総合力をご評価頂き、引き続きご指導とご支援を賜わりますようお願い致します。

前田 予定以上の取材の時間と、現場見学の機会を頂戴しありがとうございました。

インタビュアー
有楽町かわら版編集長
前田 高弘

第18号 (発行日:2001年10月1日)
有楽町かわら版
TOP - Index
TOP記事
『品格あるマーケティング企業をめざそう』
本部長だより 工場長に聴く
『志はゼロへの挑戦』