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通算17号 有楽町かわら版 2001年(平成13年)7月1日 (季刊)



「製」から「販」へ
 新会社の社名からは「製」の字が消え、代わりに「販」の字が登場した。これまではいわゆる製造業の1営業部門であったが、これからは販売業となる。製造業というと、とりわけ過去においてはモノを造ることに主眼が置かれ、生産活動優先の事業展開が重要視されてきたきらいがある。しかし今回の事業統合では製造と販売を分化し、個々の役割・責任を明確化した。
 
 それによるグループ全体の経営効率向上、経営基盤強化が大きな目標である。
 では販売業へと変身した我々は何を意識し、何を求め、何を提供・提案していかなくてはならないのか。これらを少し掘り下げて考えていくことにしたい。

販売業はサービス業
 日本製紙新聞営業本部と大昭和製紙新聞用紙営業本部が日本紙共販新聞営業本部になって何が変わるのか。働く人員やひとり一人の仕事内容そのものが大きく変わることはないだろう。変わるのは日本紙共販という会社が販売業に特化するという事実であり、それに対する従業員の意識の変革が求められるのである。
 販売業に特化することで、我々にはモノを売るという活動を軸にさまざまなサービス活動を積極的に行っていくことが必要と考える。サービス業というと非製造物や情報といったものを商品化・提供し、その対価を得る活動を思い浮かべるわけで、確かに我々の事業にはあまり馴染まない内容のものだったのかもしれない。
 
しかも日本語となったサービスという言葉には本来の英語のニュアンスと異なり、「サービス=無償」といった観念がつきまとう。日本製紙と大昭和製紙はこれまでも単にモノをつくり売るという行為だけではなく、製造業にとって最も重要な活動の一つである品質保証をはじめ、顧客にとって有用と思われる情報提供等を行ってきた。今後はこれらの活動により一層磨きをかけ、販売製品単独の価格のみでなく、さまざまなサービス活動・内容を含めた対価で評価いただけるよう努力したい。技術サービス部門を製造会社ではなく共販会社に置いたのもその強い意思の表れとご理解いただければ幸いである。

共販会社と代理店
 販売業という点では共販会社も代理店も共通である。では何が異なるのか。代理店が複数メーカー製品の販売権を持つまたは持つ機会を有するのに対し、日本紙共販は日本製紙・大昭和製紙の2メーカーの営業権を持つということ。さらに前述した技術サービス部門を有し、製造者の品質責任を負う点にある。
 
よって共販会社の代理店とは異なる存在意義をご理解いただきたいと思う。但し一般洋紙についてはその商流・用途が新聞用紙に比べより複雑であることから、物流や品質クレーム対応等で代理店機能に負うところが大きく、取引代理店とは引き続き協力体制を強化していきたい。

製造会社と共販会社の関係
 共販会社は2つの製造会社の営業権を取得した。権利を得るということは即ち義務・責任を負うことである。その義務とはひとことで言えば製造会社の生産活動維持である。一方製造会社の義務は共販会社の求める商品提供ということになる。
 互いに義務・責任を励行し、グループ全体として競争力・収益力強化を目指さなければならない
 
のだが、忘れてならないのは、互いの権利の主張やかばい合いに終始することは結局のところ経営基盤を脆弱化させることになるという点である。
 生産効率・販売効率共に重要なファクターであるが、あくまでも優先されなくてはならないのは顧客志向であり、初心として貫きたい。

トップ企業としての責任
 今回の事業統合によりあらゆる面での責任が重くなった。そこで我々の取るべき姿勢とは何か。それはあくまでも本質を捕らえ、追求することにあると思う。
 21世紀は環境重視型の経営がもはや必須条件であるが、こと紙のリサイクルについては依然として誤った認識が存在する。例えば古紙配合100%品への過大評価などはその典型といえる。すでに我々が幾度となく主張してきた通り、古紙100%配合品は局地的には継続生産可能であり、その存在事態は否定するものではないが、決して高評価に値するものではない。
 全国的あるいは全世界的に古紙だけを原料として100%紙の生産を循環継続させることなど不可能なのである。それは過去何人もの科学者が研究した「永久機関」なるものが地球上では実現しないことと同じである。植林による原料の再生や資源の有効利用とも言える製材からの端材チップ使用などについてもっとわかりやすくかつ幅広く
 
主張するとともに、 DIPの配合率の適正値についてもさらに研究を続けることが重要ではないだろうか。うわべの見せかけに惑わされず、ことの本質を正しく伝え、正しく理解していただく義務があるのだ。
 また、規模の拡大が市場の脅威となってはならないことを強く感じる。自信と誇りを持つことで実力を大いに発揮していきたい。しかし何よりも大切なのは謙虚さを決して失わないことである。両者はある意味で相反する事象であるが、そのバランスこそが重要だ。拡大した生産拠点については、個々の特色を生かしながら、地域に根ざした営業活動をさらに発展させたい。
 日本紙共販の企業活動が紙・パルプ業界全体の健全な競争・発展に寄与し、その結果新聞社をはじめとするすべてのお客様との共存・共栄の一助となることを期待し、そこで働く従業員・家族の幸せにつながることを切に望む。

第17号 (発行日:2001年7月1日)
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