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立派な料亭ならともかく、小料理屋や縄のれんの類で永年営業しているお店を知っているのは、酒飲みにとっては財産です。
でも、私が学生時代に行ったことのある店が今でも残っているのを見つけた時は本当にビックリしました。
JR桜木町駅前の路地裏にあるヤキトリ屋がそれです。中年サラリーマン客が多く、学生などが出入りするところではない店で、私も兄のお供で顔を出したのが始めでした。
明治生まれと思われる頑固者の親爺が、チジミのシャツとステテコといういで立ちで焼き場を仕切っており、ススで黒光 りした窓や柱がチョットした風格を出している店でした。着物姿のおかみと若いお手伝いさんとで店は切り回されていましたが、客筋も良く、兄の自慢の店だと聞きました。
もっとも、当時大学生の私としては、年の離れた兄が持って帰る「洋酒天国」という小冊子のほうがお気に入りで、バイトの金が入ると悪友とトリスバーに繰り出すのを常としていました。
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