日本製紙グループ 環境・社会報告書2004 インターネット版2003.4.1〜2004.3.31
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トップコミットメント
環境・社会に配慮し、品格のある世界的一流企業をめざします。 代表取締役社長 三好孝彦
経営ビジョン
トップコミットメント中期経営計画(2003〜2005年度)の概要
世界的一流企業をめざして
 2001年3月、日本製紙(株)と大昭和製紙(株)の事業統合によって「株式会社日本ユニパックホールディング」として誕生したさい、当社は世界的一流企業をめざすことを内外に明言しました。
 以後3年半、事業再編や中期経営計画を推進してきたなかで、収益基盤の確立、グループガバナンスの強化については一応のめどをつけました。
 一方、コーポレートブランドをいっそう浸透させるため、2004年10月1日をもって社名を「株式会社日本製紙グループ本社」に変更しました。これを機に、製紙業界のリーディングカンパニーとして、さらなる飛躍をめざします。
 成熟した内需型産業であるわが国の製紙業は、少子化やGDP伸び率の鈍化・低迷にともなって生産量も横ばい状態が続くと予想されています。一方、世界市場では近年、紙消費量で日本を上回った中国で製紙業が急成長しており、この巨大市場をめぐる諸外国資本の競争が激化しています。
 業界の厳しい状況にいち早く対応して、当社は3年前に持株会社として誕生して以降、組織強化に努め、2003年には事業を抜本的に再編しました。当初からグループ各社の自主・自立・自己責任を掲げ、各々の競争力強化を図ってきた成果と相まって、グループの収益基盤が整ったと考えています。2003〜2005年度の中期経営計画では「より高く、より早く、より強く」を経営目標に掲げ、前倒しでの事業再編や生産性向上などに成果をあげてきました。昨今の原材料・燃料の価格高騰により、連結経常利益1,000億円という目標達成は厳しい状況ですが、計画の強化策を講じて目標の早期達成に向け邁進しています。

事業特性をふまえた環境保全活動に注力
 製紙業は、製造工程で多くの資源とエネルギーを必要としますが、その原料は木材や古紙といった再生産・再利用可能な資源です。また、クラフトパルプ廃液をバイオマス燃料として利用するなど、早くから資源循環を進めてきました。新聞用紙や書籍・筆記用紙、包装紙、段ボール、衛生紙など、社会に不可欠な紙を供給する製紙業は、環境への影響を十分配慮することによって永く持続することのできる産業であると考えています。
 当社グループでは従来、環境憲章に基づいて各事業会社が数値目標を掲げるなど、環境保全に力を注いできました。木材原料の調達に関しては、持続可能な資源を育成するため、国内外で植林事業を営んでいます。近年は、持続可能な森林経営を認証する森林認証の自社林での取得や、輸入広葉樹材を全て植林または認証林から調達するなどの目標を定めています。
 廃棄物削減に関しては、早くから排出ゼロを目標とした「ゼロ・ディスチャージ」運動により、その減量と再利用に努めてきました。2003年度の国内での廃棄物最終処分量は、対生産量比0.1%以下を達成しています。
 そして、全世界的な課題である地球温暖化防止については、京都議定書の批准に向けた各国間の協議が進められています。また、日本では民生・運輸分野を中心とした温室効果ガス排出量の増加を受けて、京都メカニズムを活用した他国からの排出権移管が具体的な話題となっています。
 当社グループの温室効果ガス排出量のほとんどを占める日本製紙(株)と日本大昭和板紙(株)では、2010年度の化石燃料由来などによる温室効果ガス削減目標を1990年度比各々85%、90%に定めています。その達成をめざし、現在、木くずやRPFなどを燃料とするバイオマスボイラーや、クラフトパルプ廃液を利用したメタンガス発酵設備の導入などを進めています。

経営ビジョンの実現がCSRにつながる
 こうした環境保全への配慮は、メーカーとして当然の責務です。加えて、労働安全衛生・防災への配慮から高い倫理観までを含めた社会的健全性を備えてこそ一流企業たり得ます。
 そこで、環境面だけでなく多様な側面から企業の社会的責任(CSR)を考慮した経営を実践するため、2003年10月にCSR委員会を設置しました。
 また、(社)日本経済団体連合会(日本経団連)が人権への配慮を強めて企業行動憲章を改定したことを受け、とくに海外での原料調達に注目して原材料委員会を設立し、サプライチェーンマネジメントなどを強化していく所存です。さらに2004年には、国際連合(国連)のアナン事務総長が提唱するグローバル・コンパクトに加盟し、CSRを重視する姿勢を内外に表明していきます。
 日本製紙グループは、「安定して良い業績をあげる会社」、「顧客に信頼される会社」、「従業員が夢と希望を持てる会社」、「品格のある会社」という4つの企業像を経営ビジョンとして掲げています。昨今、日本でも社会的責任投資(SRI)による各種のファンドが創設され、CSRが経営の新たなキーワードとして一種のブームのようになっていますが、その概念自体は目新しいものではありません。当社グループでは、経営ビジョンに沿って当たり前のことを地道に実行していくことが大切であると考えています。
 ただし、組織や規則があってもそれらが本来の機能を果たさなければ意味がありません。当社グループのCSR委員会は、発足してまだ1年ですが、株主、お客さま、従業員をはじめ、多様な利害関係者(ステークホルダー)にバランス良く利益を配分するため、組織を充実させ、情報を開示し、ステークホルダーとの対話に努めていきます。同時に、PDCA(Plan―Do―Check―Action)のサイクルで個々の取り組みの実効性を検証・改善し続けていきます。
 本報告書は、日本製紙グループとして一本化した環境・社会報告書の第一報です。皆さまのご助言、ご指導により次回以降、さらに充実したCSRの報告書へと発展させていきたいと考えています。ぜひご一読くださいますようお願い申し上げます。

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