 |
紙・板紙のうち、古紙の利用がもっとも進んでいるのは段ボールなどの原紙となる板紙です。段ボールの機能は物を運搬することにあり、印刷した文字や写真などの判読性は強く求められません。一方で、印刷出版用紙に代表される洋紙には、情報の媒体としての機能が求められるため、文字が読めるだけの品質、すなわち十分な白さ・高い保存性などが要求されます。そのため、古紙パルプを配合するには脱墨した後、さらに漂白する必要があり製造コストがかかります。また、化学パルプの1種で洋紙の主原料となっているクラフトパルプとは異なり、古紙パルプは製造時に外部からエネルギーを供給しなければなりません。こうした問題から、板紙の古紙利用率は90%を超えているのに対して、洋紙のそれは40%を下回っています。
一方、洋紙のなかでも、新聞用紙は短時間で大量に印刷するため、とくに高い強度や作業性が要求されます。他の洋紙と比べて必要な白色度・保存性は低く、不透明度やインキ受理性が求められます。新聞用紙にはこれらの条件に適した機械パルプが従来、多く使用されていましたが、機械パルプは製造時に大量のエネルギーを消費します。
製造コストや消費エネルギーの問題を考えると、上質な洋紙よりも、必要な白色度が低く機械パルプを使っている新聞用紙のほうに古紙パルプ(脱墨パルプ)を利用するほうがメリットがあります。洋紙事業を行っている日本製紙(株)では、新聞用紙への脱墨パルプ配合率75%をめざしています。2003年度の実績は72%となり、目標達成まであと一歩まできています。 |
 |
 |
 |
|
 |
 |
|