日本製紙グループ 環境・社会報告書2004 インターネット版2003.4.1〜2004.3.31
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2003年度のハイライト
報告対象組織
化成品事業

 日本製紙ケミカル(株)の江津事業所は、国内唯一の溶解パルプ工場であり、木材資源を高度利用してパルプ・リグニン製品・各種セルロース製品・酵母核酸製品などを生産しています。岩国事業所では電解により塩素と苛性ソーダを生産するとともに、これらを利用した塩素化ポリオレフィン製品・リグニン製品を製造しています。
 さらに、各種重合技術を駆使した合成系分散剤・特殊接着剤などの製品があります。勇払・小松島各製造所ではセルロースパウダーやステビア(天然甘味料)など、特長ある製品を製造しています。
 また、江津事業所ではメタン発酵によりメタンガスを、岩国事業所では電解水素からエネルギーをそれぞれ生産し、工場の操業に活用しています。
 秋田十條化成(株)では、アクリルアミドを原料として、製紙に用いられる紙力剤であるポリアクリルアミドを製造しているほか、舞茸などの食用きのこ類などを製造・販売しています。

環境パフォーマンス社会性パフォーマンス
化学物質排出削減に関する取り組み
 日本製紙ケミカル(株)江津事業所では、1981年に日本の紙パルプ工場で初めて嫌気性排水処理(メタン発酵処理)を導入しました。現在は、初代から更新されて最新技術を組み入れた高速型の嫌気性排水処理設備(ICリアクター)が稼働しています。この間、操業面でも排水流量・負荷量の管理などについて改善を重ね、運転条件の最適化を進めてきました。
 嫌気性排水処理設備では、数種類の嫌気性微生物が有効に働いて、排水中の汚れとなる有機物を分解(メタン発酵)し、メタンガス(CH4)と炭酸ガス(CO2)の混合気体(バイオガス)にします。このバイオガスの約70%を占めるCH4は、燃料ガスとして利用することが可能です。
 江津事業所で稼働しているICリアクターは、排水中のCODを10トン/日処理することができます。また、この処理によって1日あたり2〜4トンの燃料ガスを得ることができます。この設備は、リアクター内部に充填された微生物が流出しないように工夫されており、十分な量の微生物を常に保持できるため、排水流量や負荷が変動してもCH4を安定的に供給することが可能です。現在、この設備は事業所のエネルギー源のひとつとなっており、事業所で使用する全エネルギーのうち2.5%の供給を担っています。
ICリアクター
ICリアクター

環境負荷低減に役立つ高機能樹脂製品
 資源のリサイクル、廃棄物処理などの対策として、各種包装材料分野や自動車工業分野などでは、ポリオレフィン(PO)系材料の利用割合が従来にも増して高くなっています。
 日本製紙ケミカル(株)の塩素化ポリプロピレン(PP)樹脂製品「スーパークロン」と、特殊な結晶構造のPP樹脂を適度に酸変性させた樹脂製品「アウローレン」は、これらのPO系材料に対して優れた付着性を有しており、塗料・インキ・接着剤の材料として市場で高く評価され、広く使用されています。
 一方、塗装・接着工程では、大気中に揮散される揮発性有機化合物(VOC)の削減が重要課題となっています。このような社会的要請に対応するため、同社では、エマルションタイプの「スーパークロン」、「アウローレン」の開発に取り組んできました。これらの製品はVOCを含まず、かつ従来の製品と同等の作業性と性能をもっており、塗装工程などでのVOC削減効果が高く評価されています。2006年に予定されているVOC排出規制の施行を背景に、環境負荷の低いこれらの開発品が広く使用されることが期待されています。
アウローレン・スーパークロン

「平成16年度消防庁長官表彰」を受賞
 2004年6月7日、東京都千代田区のスクワール麹町で「平成16年度危険物安全大会」が開催され、日本製紙ケミカル(株)江津事業所が「優良危険物関係事業所消防庁長官表彰」を受けました。
 江津事業所では、増粘安定剤(CMC)製造に使用するアルコール関連設備や、パルプ製造のため硫黄を燃焼させる製薬設備をはじめとして、35の危険物施設を敷地内に所有しています。1951年の事業所創立以来、危険物に係る事故が発生していないことや、江津市の危険物保安協会の要職について地域のリーダーシップを執ってきた功績に対して、今回の栄誉を賜りました。これは、江津事業所の活動実績だけでなく、各種事故防止のための連絡会や防災訓練など、島根県・江津市の危険物保安協会関係者と連携した日頃の取り組みが高く評価されたものと考えています。今後も「当たり前のことをきちんとする」姿勢で安全維持・無災害継続に努めていきます。
消防庁長官表彰の盾
消防庁長官表彰の盾

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