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木質原料調達に関するアクションプランの進捗について

日本製紙グループは「原料調達の理念と基本方針」に基づき、木材の合法性確認を含むCSR調達推進のためのアクションプランを開始しました。アクションプランは、海外材についてはサプライヤーの森林法規への対応状況など、幅広い情報の把握によるトレーサビリティーの充実、国産材については合法性証明に関する事業者団体認定の推進を中心としています。以下に、アクションプランの進捗およびCSR調達推進のための各種取り組みの状況をご紹介します。

海外材のトレーサビリティー
 
サプライヤーの原料供給源は自社林、公有林、一般私有林や廃材などバラエティーに富んでおり、また国によっては自己所有の植林木の伐採に関して、特別な規制や手続きがないなど、各国の森林管理制度も多様です。そのため日本に輸出されるチップの原木の伐採時における合法性を端的に示す書類はほとんど存在しないのが実情です。日本製紙(株)は下記の対応により、トレーサビリティーの充実を図ることで、木材の合法性および持続可能性を担保しています。
サプライヤーは、関連法規を遵守し違法伐採材を含まない旨を船積み書類等で宣誓しています。
当社はサプライヤーに対し、詳細なアンケートを実施しています。調査では、森林施業に関連する法規とその遵守、樹種、森林認証取得の有無などの基本情報のほか、環境・人権および労働への配慮についても確認しており、今後も定期的に実施していきます。
 
■海外材の生産国・地域および樹種
広葉樹
% 樹種 地域
オーストラリア 49 ユーカリ ニューサウスウェールズ、ビクトリア、タスマニア、西オーストラリア
南アフリカ 31 ユーカリ、アカシア クワズールナタール、ムプマランガ 西ケープ、東ケープ等
チリ 6 ユーカリ Z、[、\
ブラジル 6 アカシア リオグランデドスル
ウルグアイ 7 ユーカリ ラバリェハ、マルドナド、ロチャ、フロリダ
タイ 1 ユーカリ スリン、ブリラム、シーサケート、ローイエット、ヤソートーン等
100    
 
針葉樹
% 樹種 地域
オーストラリア 56 ラジアータパイン 南オーストラリア、ビクトリア、ニューサウスウェールズ
アメリカ 23 ダグラスファー オレゴン
ブラジル 9 カリビアンパイン アマパ
カナダ 6 SPF( ブリティシュコロンビア
ロシア 4 ロシアエゾ・トド プリモルスキー
チリ 2 ラジアータパイン Z、[、\
100    
(※)SPF:スプルース・パイン・ファーの略
   
上記各国は木材輸出が禁止されている国ではなく、使用されている樹種もワシントン条約、その他各国の法規により伐採や取引が規制されている樹種ではありません。
 
■海外材の供給源の森林所有状況
一般にオーストラリアの広葉樹チップサプライヤーは州有林を主要な原料供給源としており、その他各国の広葉樹チップサプライヤーは主に自社林あるいは一般私有林を原料供給源としています。
針葉樹チップは、約7割がダグラスファーやラジアータパイン等の製材廃材や虫害木からなっており、丸太が使用されている場合も製材用に使用できない小径木や低質材が主に利用されています。

広葉樹 針葉樹
広葉樹
針葉樹
   
■輸入広葉樹の形態と森林認証
日本製紙(株)は、「2008年までに輸入広葉樹を植林木あるいは森林認証材」とすることをひとつの目標としています。本年は、輸入広葉樹に占める非認証の天然林材の割合が24%となる見込みですが、これらはオーストラリアのニューサウスウェールズ州、ビクトリア州および西オーストラリア州の州有林を主な供給源としているサプライヤーからのものです。上記オーストラリア各州は世界的な森林認証制度のひとつであるPEFCと相互承認されているAFS(Australian Forestry Standard)取得に向け準備を進めており、2008年までに各州有林で認証が取得される見込みです。

オーストラリアの森林管理について
 

オーストラリアは国家レベルの森林保護の原則において、生物多様性、老齢樹林および原生自然環境保護のためのガイドラインを設け、利害関係者と議論を行い環境、遺産、経済および社会価値に配慮した上で、保護が必要な森林と利用可能な森林を明確に識別しています。

また各州は森林施業規則により、伐採方法や伐採可能地域、保護の対象などについて定めており、それらの規定に基づいた森林施業計画の策定を木材生産者に義務付けています。伐採にあたっては、施業計画の策定と森林局による承認が必要になる他、施業についても監査がなされています。施業計画には森林の所有権や使用権の確認が含まれており、それらについて紛争がある場合は承認されません。

このようにオーストラリアでは木材の合法性や持続可能な森林経営を担保する体制が確立されており、森林認証の取得がないことは持続可能な森林経営が行なわれていないことを意味するものではありません。

   
■輸入広葉樹の種類別構成比

  輸入広葉樹の種類別構成比

■輸入広葉樹のCoC
グリーン購入法では、CoC認証(※1)が木材の合法性・持続可能性を証明する方法のひとつとしてあげられていますが、当社の輸入広葉樹チップの約6割が、現地サプライヤーから商社を経て当社に至るまで、FSC、PEFC各々の制度のCoCにより認証されたものです。今後、オーストラリア等の供給源森林の認証取得の進展に伴い、輸入広葉樹のCoC比率も増加する見込みです。
   
輸入広葉樹のCoC  
輸入広葉樹のCoC  
(※1) CoC(Chain of Custody)認証とは
CoC認証とはFSCやPEFCなどの各森林認証制度における仕組みであり、各制度で認証された森林からの材が生産・加工・流通過程の全ての段階で使用されていることを認証する制度。
 
■持続可能な森林経営
グリーン購入法は持続可能な森林経営に関して具体的に定義していませんが、当社は (1)生物多様性の保全がなされていること(2)森林生態系の生産力および健全性が維持されていること (3)土壌および水資源が保全されていること (4)多面的な社会の要望に対応していることを持続可能な森林経営の定義として考えています。日本製紙(株)が実施している調査では、一般的な森林法規の遵守に加え、生物多様性、生態系および土壌・水資源の保全に関する法規とその遵守についても確認しています。
 
■人権・労働および地域社会への配慮
日本製紙(株)が実施している調査では、強制労働や児童労働の排除、組合の自由や労働者の安全衛生など人権や労働に対する配慮も確認しています。サプライヤーは人権や労働についての方針あるいはそれらに対処するシステムを持っており、人権や労働に関する問題は発生していないと回答しています。また、多くのサプライヤーが学校や老人施設への寄付等の社会貢献活動を通じて地域社会との融和を図っています。



持続可能な木質原料調達のためのその他の取り組み

■海外植林

日本製紙(株)は、持続可能な広葉樹チップ資源を自ら育成する海外植林事業 「Tree Farm構想」において、「2008年までに、10万ヘクタールの植林地を造成」することを目標として掲げてきましたが、本年9月末時点で海外に約10万4千ヘクタールの植林地造成が完了したことにより、期限より2年早く目標を達成しました。今後は、2005年に策定された「グループビジョン2015」に掲げられた「海外植林事業の積極展開−20万ヘクタール」に向かって、「Tree Farm構想」のさらなる拡充に取り組んでいきます。

   
() 当社と丸紅株式会社はインターナショナル・ペーパー社のブラジル現地法人アマパ フロレスタル エ セルロース社(AMCEL社)を100%買収することでインターナショナル・ペーパー社と合意し、2006年12月末までに売買を完了する見込みです。AMCEL社は約13万ヘクタールの植林可能地を有し、すでに約6万2千ヘクタールの植林地が造成されています。当社の海外植林事業「Tree Farm構想」にAMCEL社の植林地が加わることにより、その面積は一挙に約16万6千ヘクタールまで拡大します。
   
■自社林の森林認証
 

日本製紙(株)は、「2008年までに国内外の全ての自社林で森林認証を取得する」ことを目標としています。

   
2006年10月に当社の子会社で、オーストラリアニューサウスウェールズ州で木材チップの生産・輸出を行なっているSEFE社がAFSの森林認証を取得したことにより、オーストラリアにおける当社自社林の森林認証取得比率は100%となりました。
国内社有林については、日本独自の森林認証制度であるSGEC(「緑の循環」認証会議)の取得を推進しており、2006年には中四国での審査が既に終了し、同年内にも認証される見込みです。
前述のブラジルAMCEL社の植林地についても、森林認証の取得を予定しています。

自社林の森林認証取得状況
海外植林プロジェクト
(事業会社別)
森林認証(取得年月)
Forestco 南アフリカ FSC(2003/04/30)
Volterra チリ Certforchileを予定
WAPRES オーストラリア AFS(2004/09/16)
VTP·VIZ オーストラリア AFS(2005/05/24)
SEFE オーストラリア AFS(2006/10/18)
PTP オーストラリア AFS(2006/06/30)
BTP·AAP·ECOT オーストラリア AFS(2006/04/27)

国内社有林
(地域別)
SGEC(「緑の循環」認証会議)
北海道 2005/12/01取得
東北 2006〜2008年取得予定。
但し、静岡県北山社有林は2003/12/25取得済み。
中四国は審査終了、12月中に認証の予定。
関東・中部
近畿・中四国
九州 2005/03/24取得



国産材の事業者団体認定による合法性確認

日本製紙(株)の国産材集荷業務は、子会社である日本製紙木材(株)と(株)南栄が行なっています。グリーン購入法の木材合法性証明への対応として、日本製紙(株)は集荷担当子会社に依頼し、7月〜9月にかけて納材業者の合法性対応に関する調査を行ないました。

その結果、認定済の業者が23%、申請中または申請予定が15%と、調査時点で約4割の業者が事業者団体認定により合法性の証明を行なうとしています。また業者の約半分は、廃材のみを供給する合板・製材事業者のため合法性確認の対象外となるケースであり、その他の10%は伐採届けや許可番号を記載した書類などにより証明を行なうとした業者でした。

合法性証明を行なう審査団体が各県に最低ひとつ整備されたのが10月に入ってからであったように、団体認定制度は当初から地域によりその進捗に差があり、現在でも審査・認定待ちの業者が存在している状況です。日本製紙(株)は集荷子会社を通じて引き続き、納材業者の団体認定取得を奨励し、その状況を把握していくとともに、認定がない場合は伐採届け等による確認を確実に行なうなどの指導を行なっていきます。

 
納材業者の団体認定状況
 
納材業者の団体認定状況

※9月末調査表回収時点
 
トレーサビリティーに関する各データは2006年暦年受入見込みを基礎としています。

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