日本製紙グループ
紙について
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紙について
対話期間2004.7.1〜2005.11.25

CSR室
技術調査役
伊藤

紙は教育や文化、民主化や経済発展において重要な役割を果たしており、紙の不足している地域の不便さは想像を絶するものがあります。近年の日本の紙生産量推移はほぼ横ばいとなっていますが、印刷物のビジュアル化に伴い、塗工印刷用紙やインクジェット用紙等、品種によってはめざましい成長を見せているものもあります。
紙メディアには一覧性に優れ、目に優しく、低コストで、大容量配布が容易であるという特長があります。また紙は、軽量で、加工に優れ、再利用が容易であるという側面も併せ持ち、板紙・紙加工品としての利用価値も備えています。
紙の生産・利用について、皆様の率直な意見、質問、提案、感想をお待ちしております。


消費者
本好きさん
伊藤さんのおっしゃる通り、紙そのものは素晴らしいものだと思います。小学生の教科書がデジタル化されて、子供が電子機器に囲まれて学ぶのも寒々しい感じがしますし、個人的には電子手帳・電子辞書、電子書籍よりも、紙製のそれのほうがはるかに愛着が持てます。もちろん新聞は毎日の生活に欠かせないものですし、これだけEメールが普及しても、旅先から絵葉書などをもらう嬉しさは、その比ではありません。紙はひとつの文化であると思います。一方、ペーパーレスと言いながら、インターネットの情報も結局プリントすることが多かったり、不必要なダイレクトメールが多かったり、その場限りの情報のために大量の紙が浪費されているのは問題だと思います。
一時製紙会社が環境破壊をしているとやり玉に上がったこともありましたが、消費者の方も、環境のために紙は駄目だというばかりではなく、本当に必要なものを取捨選択し、要らないものは要らないと声をあげる必要があると思います。私は紙はもっと高価であっても良いと思っています。その方が大事に使われますし、有限な地球資源を使うのにそれくらいの負担はすべきだと思っています。
また、製紙会社には、より環境に優しい製造の仕方や、ケナフなど良い原料の活用・開発にいっそうの努力を期待します。食品のトレーサビリティーのように、「この紙は○○産の△種の木から作られています。」といった表示があれば、安心して選ぶことができて素晴らしいと思います。

CSR室
技術調査役
伊藤

ご意見ありがとうございます。
私どもも紙は文化・生活を支える大切なツールであると考えております。しかし、紙を使用するためにはそれだけ森林資源・エネルギーを消費するのだという事実も否めません。そこで私たちは、できる限り無駄なく効率的に、紙の使用について考えていく必要があると思います。
例えば、一般に古紙の再利用が環境に良いとされがちですが、化石燃料の使用を増やすという観点から言うと、そればかりに偏る考え方は却って環境に悪影響を及ぼしかねません。また、環境に良いと言われているケナフですが、1年草で収穫時期が限られていることから、収穫時の労働力集中の問題、貯蔵の問題等もあり、国内でのパルプ生産には向いていません。(詳しくはこちら)
本好き様がおっしゃるように、昨今の環境問題を背景に、消費者の方々が必要なものを取捨選択する必要性が問われてきています。それに加え、弊社の方でも紙の環境負荷に関する正しい知識を消費者の方々に提供する努力が、消費者の皆様にはそれを受け入れ取り込んでいく姿勢が必要とされるのではないかと思います。とりわけ、物事の一面だけを捉え排他的な目で見るのではなく、全体のバランスに配慮して取り組んでいくことが重要であると考えています。
表示については、古紙配合率表示のラベル、植林・認証森林木の使用を表示したラベル等、7つのラベル(詳しくはこちら)の他、最近では間伐材の使用を表示したラベル等を添付し、製品の安全性・信頼性をお客様にご提示しています。商品開発の面でも消費者ニーズへの対応と環境への配慮のバランスを重視し、より環境に優しく、安心してお客様にご使用いただける製品造りに積極的に取り組んでまいります。


学生
レインフォレストさん
日本には紙が溢れていますが、発展途上国の多くでは、子供達が学校で使うノートにも事欠いています。
日本に余っている紙を、これらの国に援助できないものでしょうか。昔から紙の原料になる多くの木が、東南アジアなどの貧しい国で伐採されてきたことを考えると、御社のような日本企業が先頭に立って援助をしても良いと思うのですが。

CSR室
技術調査役
伊藤

紙の援助ということでは、現在、工場の周辺地域にある小学校・養護学校への寄付や市町内イベントへの協賛(パンフレット・広告用紙等の寄付)といった形での援助を行っております。しかしながら、国境を超えての物資の援助は現在のところ行われておりません。勉強をしたくても労働力・学校・教師・文房具等の不足により勉強のできない子ども達が世界各国に大勢いるのだという重い現実を、しっかり受け止めて支えていけるよう、グローバルな社会貢献も今後の課題の一つとして検討してまいりたいと思います。


学生
とすをさん
紙を生産する際に木材が必要となりますが、その木材がどのように、そしてどのようなものが調達されているのか気になります。
例えばコストを安く抑えるために東南アジアなどの森林を大量に伐採してできた木材を使用したりする企業もあるようですが、こういったところの伐採の仕方はお金優先で環境や地域性などが考慮されていないと思われます。
やはり御社もこういった地域の木材を調達しているのですか?そしてもしそうならこういった地域の環境や地域社会がよくなるような対策を行っていますか?

CSR室
技術調査役
伊藤

紙の原料となるチップですが、弊社では購入先の環境や地域性を無視するような伐採・購入は行っておりません。東南アジアからの購入では、弊社全体の1%未満にあたる数量のチップを、タイより購入しています。ただし、これはユーカリ植林木のチップであり、とすを様のおっしゃるような心配はありません。
また日本製紙では、2008年までに、輸入する全ての広葉樹チップを植林地、あるいは森林認証取得森林からの調達に切り替えてゆくことを環境憲章に掲げ、取り組みを進めています。


消費者
パックさん
飲料の容器で、紙パックとペットボトルとアルミ缶の中で、どれが一番環境にやさしいのでしょうか?それから、紙パックの回収はペットボトルやアルミ缶と比べると、まだまだできていないように思います。紙が貴重な資源と見なされていない気がしてなりません。現状はいかがでしょうか?

CSR室
技術調査役
伊藤

紙パック・ペットボトル・アルミ缶には、それぞれの素材特性があり、その特性に適した用途の商品に利用されています。環境に対する影響は、様々な点から評価すべきであり一概にどれが一番環境にやさしいとは言えません。
紙パックの原料は木であり、適正に植林することにより永続的に利用が可能です。つまり、枯渇する事のない資源であるという、他の素材には無いメリットがあります。アルミ缶は、缶としてリサイクルする事ができるので省エネルギー効果に優れていますし、ペットボトルは、ここ数年で大幅にリサイクル率が伸びています。
また、それぞれの回収状況ですが、リサイクル率(回収量÷消費量)は平成14年度実績で紙パック31.1%、ペットボトル53.4%、アルミ缶83.1%となっています。紙パックの回収量を増やすことは、資源の有効利用につながりますので、私どもも重要な課題として考えております。紙パックのリサイクルに関わる関連企業、市民団体などと共に取り組み中であり、この場をお借りしまして消費者の皆様にもご協力をお願いしたいと思います。


消費者
山腰さん
私が勤務している会社ではコピー用紙の裏紙が大量に出てしまいます。捨てるわけにもいかず、ストックして社内用に利用していますが、どんどんたまる一方です。会社から出るこういった大量の紙の回収・リサイクルなどにも是非御社には積極的に取り組んでいただきたい活動です。

CSR室
技術調査役
伊藤

グループ子会社の北上製紙では、1999年度通産省モデル事業として、それまで焼却処理されていた事業系古紙を回収・再資源化するシステムの確立に取り組み、2000年4月には「オフィス古紙リサイクル一関」を発足させました。同社では現在も継続した活動を展開しており、各参加事業所が排出した段ボール古紙・雑誌・新聞古紙を運送業者が回収、北上製紙が購入・再生処理する流れで組織運営しています。また、日本製紙石巻工場でも同様の試みを2000年9月より実施しており、「オフィス古紙回収モデル事業」ということで周辺地区の事業所や学校等から出される古紙を回収・リサイクルしています。弊社における東京の本社で発生したオフィス古紙類も全て石巻工場で再資源化しています。
なお、一般に各社のオフィスより発生する古紙は、オフィス町内会などを通じ回収され、古紙問屋などのルートを経て、製紙工場にてリサイクルされています。


その他
一日本人さん
現在、カナダに在住している一日本人です。学生でもなければ、日本企業の駐在員でもなく、元々、環境問題に興味があったことから自分の足、目で日本と比較してみているつもりです。 
さて、僕は小さな島へ行くのがすきなのですが、そういった島々には昔からの豊かな雨林が広がっています。(いました。)過去で語れば、ヨーロッパからの移入者による木々の伐採、現在で語れば多くの木材は日本へ輸出用だそうです。勿論、それは製紙用、もあるかもしれませんが、建築用などのウェイトも大きいかと思います。現地の島々では本当に静かでピースフルな生活を営んでいる人たちが、一部の地元の利益を得る人たちのためだけに、自然が荒らされ、島民は材木運搬用のトラックの前に立ちふさがり(自分達にできる精一杯の抵抗)警察に逮捕されたりしています。僕がカナダに来て驚いたことは、意外にも紙製品が日本より高く、質も随分劣ることでした。トイレットペーパーも然りです。結局はローカルの人たちが使うためではなく、海を渡ったり、アメリカへ輸出されたり、資本力がある場所へと、そして消費者は、原材料が産み出される小さな島でお年寄りが小さな抵抗で逮捕されていることなどは想像もしないことでしょう。日本企業の多くは、原材料と引き換えに資本を落とすことにより現地の人々に貢献していると考えがちです。
御社の環境に対する取り組みをインターネット上で見る限りは「循環」を意識した、将来を見据えたものだと感じています。
ですが、僕のような一個人、一日本人としてローカルな場所を訪れると、日本企業も企業単位でなく、現地の方々の生活、意見も大いに反映してもらえたら・・と思うことが多々あります。
まとまりのない長い文になりましたが、現実として購入する国、企業がある限り、小さな自然豊かな島々の木々は伐採され続けます。 日本国内の材木を使うのは全過程をみると、輸入したものより高くつくので敬遠されている、と聞いた事があります。
いずれにしても、全て国内で生産から消費、回収、リサイクルまで賄うというのは簡単そうで難しいことなのでしょうか?実現はきわめて不可能に近いことなのでしょうか?

CSR室
技術調査役
伊藤

全て国内で生産から消費、回収、リサイクルまで賄うのは?ということですが、紙パルプ業界に関して言えば、これは非常に難しい問題です。まず、おっしゃられますように国内材の価格が海外材に比べて高いことがあげられます。これは、日本が既に先進国であり木材生産から輸送までの各工程に携わる人への賃金水準が高いということ、それから日本の地形が急峻であるため伐採・集材・輸送といったコストが割高になるということなどに起因します。また、日本の林業そのものが零細であること、林業の担い手が高齢化してきていること、木造住宅着工数の減少に伴い角材の需要が減少していること(国内から調達する製紙原料のチップは、その半数を製材時に出る残材から作られています)などから、国内材の数量自体が少ないということも要因としてあげられます。
当社グループの場合、工場によっては国内材を多く使用しているところもあり、例えば日本製紙の旭川工場では使用している針葉樹の約8割は道内産の国内材・残材です。
また弊社では、海外からの原料調達に際し経済・環境・社会といった全ての面から持続可能な供給を確保できるよう、広葉樹チップを植林木および森林認証材由来のものにする取り組みを進めております。


消費者
山腰さん
ご回答ありがとうございます。既に御社では取り組んでおられたんですね。ところで、「オフィス町内会」という言葉を初めて耳にしましたが、大都会にしかないシステムなんでしょうか。結構知らない人が多いと思いますが…?御社がされているモデル事業やこの「オフィス町内会」のことなど、もっと広く宣伝して頂きたいです。お願いします。

CSR室
技術調査役
伊藤

「オフィス町内会」と申し上げたのは一部の例であって、もちろん取り組みはその地区ごとや、極端に言えばビルごとで様々です。オフィス古紙は、オフィス町内会やビル清掃会社などにより収集されるような場合もあればそうでない場合も、またそれらが最終的に古紙会社に引き取られるような場合もあれば、ゴミとして廃棄されるような場合もあります。皆さまも、ご自身の会社がどのような手順で使用済み古紙を処理しているかを把握し、リサイクルされていないようなところでは、古紙再生促進センターなどの助言を参考にリサイクル促進に取り組まれるようお願いしたいと思います。弊社においても、今後ますます資源の有効活用の重要性を説明していきたいと思います。


その他
Y.Nさん
自社の環境報告書を作成する部門に居ります。環境報告書は環境に配慮した紙を使ったり、 水なし印刷を使ったりしておりますが、紙で開示する限りは環境負荷のもとなのではないかと思う事があります。 製紙に掛かる環境負荷とリサイクルに掛かる環境負荷、焼却する環境負荷、一体どれが1番環境に負荷をかけないのでしょうか? 紙はリサイクルせず燃やすのが一番なんだという人もいます。私自身は、使う量を極力減らして行くのが本当ではないかと思うのです。
製紙メーカとしてどのような見解をお持ちかお教えください。

CSR室
技術調査役
伊藤

ご意見、ありがとうございます。
製紙・リサイクル・焼却について、どれが一番環境に負荷を掛けないかというご質問ですが、残念ながら一言でお答えすることはできません。木材から紙を製造する場合には、木から抽出されるリグニンという物質をエネルギー源として有効活用できるため、化石燃料消費の抑制という面では効果的です。しかし、古紙のリサイクル活用も、木材資源の使用を少なくする、ゴミを減らすといった点で環境にやさしいと言えるでしょう。古紙を全量リサイクルできれば良いのですが、実際にはパルプ繊維の質の低下等により約20%は焼却処分せざるを得ません(弊社では、焼却処分後の灰もセメント原料等に有効活用しています)。このような理由から、どれか一つの方法に偏るのではなく、総合的にバランスよく選択する必要があると考えます。
紙を製造する以上、環境に何らかの負荷が掛かっているのは事実です。ご利用くださる皆さまには、一人ひとりが無駄使いをせず紙を大切に使用してくださいますようお願い申し上げます。また製造する私どもも、木材資源・古紙をバランスよく使用し環境への負荷を最低限にとどめられるよう取り組んでまいりたいと思います。


学生
SOさん
地球環境の変化により、紙が高騰化する可能性が考えられますが、そういった場合、御社はどのような工夫によったコスト削減をお考えでしょう か?

CSR室
技術調査役
伊藤

100年単位といった長期レベルではなく今後数十年程度の期間において、地球環境の変化による紙価格の高騰というリスクは低いものと考えられます。紙パルプ業界において地球環境の変化と密接に関わりがあるものと言えば、原材料の半分を占める木材チップがあげられます。しかし、現在では地球規模での植林が進んでおり、近い将来、地球環境の激変によってかなりの割合の樹木が枯れるということでもない限り、こうした心配は起こらないものと考えます。
コスト削減への取り組みでは、古紙パルプの配合増や薬品費の削減、歩留りの改善、省エネルギーによる比例費の削減などを行っています。


消費者
トマトさん
木材以外で紙の原料になるものは何があるのでしょうか。ケナフは有名ですし、古紙を回収して新たに紙にすることは既に実施されていますが、もし生ゴミなどを紙にすることができれば、すてきですね。確かどこかの国でぞうのフンを利用して紙を作っていたかと思います。どんなゴミでも紙に変身させてくれる魔法のような技術がいつか開発されればいいなと思います。

CSR室
技術調査役
伊藤

紙の原料は繊維です。木材チップ・古紙の他にケナフ・竹・サトウキビ・葦・バナナ・こうぞ・みつまた等、様々な植物が利用されています。一方、ぞうは草食動物で、排泄物に繊維が豊富に含まれているため、その繊維質だけを取り出し紙の原料として使用されているところもあるようです。ぞうの消化吸収の状態など、個体差によって紙の仕上がりが変わるという事で、同品質・大量生産を求められる現場には適応しませんが、その風合いや特性を活かした紙ということでは、資源を有効活用した環境にやさしい紙と言えます。
一般の生ゴミから紙を作るには、紙の原料となる繊維が多く含まれていることが、条件になります。現在では、堆肥化し、植物を育てるということで、間接的に役立てられている例もあるようです。


学生
ただしさん
ふだん使っているトイレットペーパー1本やティッシュ1箱にはどのくらいの量の木が使われていますか?

CSR室
技術調査役
伊藤

トイレットペーパーやティッシュペーパーの原料には木材や牛乳パックの繊維分であるパルプを使用します。トイレットペーパー1ロール当たりの重さは約140gで、ティッシュペーパー1箱当たりの重さは約240gです。したがって、これらを作るにはその重さと同じ重量のパルプを使用します。
パルプは、製材時にできてしまう木くずや、間伐によって生じた木材、折れたり曲がってしまったりした木や牛乳パックなどを原料に作られます。このように、パルプと木材の実際の姿とは大きくかけ離れています。したがって、残念ながら「紙の原料にどのくらいの木が必要」というお答えはできません。


学生
落合さん
途上国で大量に発生しているサトウキビの絞りカスやパーム椰子の房といった農産廃棄物を購入し、非木材紙の原料としてどんどん利用してはどうですか。コストはかかるかもしれませんが、途上国の発展に大いに貢献できると思います。そういった目的のある紙なら少し高くても是非選びたいと思う人はたくさんいるのではないでしょうか。

CSR室
技術調査役
伊藤

新聞・雑誌・書籍など、身の回りにある工業製品としての紙は、一年中いつでも一定の品質でお客さまの元に届けられなくてはなりません。しかし、サトウキビ・パーム椰子等は、ケナフ同様、集荷時期が限られていることや貯蔵が困難であることなどから、国内における安定・大量生産を求められる紙パルプ事業には向いていません。
弊社では、自社で使用する木材資源を植林や認証森林から調達しようと取り組みを進めています。チリ・南アフリカ・オーストラリアの海外植林事業では木材資源枯渇の緩和・地元の雇用等に、また、認証森林材を購入することでチップ販売諸国に対し経済面で貢献しています。


消費者
トマトさん
お答えいただき、ありがとうございました!生ゴミから紙というのはちょっと難しそうですね。伊藤さんのご質問の中にあった雑誌古紙利用についてですけど、いいことだと思います。雑誌を再利用するのが難しいということはあまりよく知らなかったのですが、どういったことで大変なんでしょうか?雑誌を再利用してもらおうと結構熱心に廃品回収に出していましたが…

CSR室
技術調査役
伊藤

週刊誌や月刊誌などの雑誌は、古紙として利用するさいに本の「背」の部分に使用する糊(背糊)が異物として混入するという問題がありました。この背糊は熱に溶け冷えると固まるという性質をもっており、紙に混入してしまうと印刷の過程でトラブルを起こします。
弊社では研究開発を進め、近年、背糊を除去する技術を開発しました。これにより、今まで利用されずに廃棄されていた雑誌古紙の利用比率を大幅に上げております。


消費者
山腰さん
最近、防災グッズに関する本を見ていたら、水にぬれても大丈夫な紙が出ていました。今後いつ自分に起こるか分からない災害に備えて、こういった紙は大切だと思います。火に強く燃えにくい紙というのもあるのでしょうか?思い出いっぱいの写真や日記、大事な本など、思わぬ災害にあっても残るような素材でできた紙を開発していただきたいです。

CSR室
技術調査役
伊藤

弊社では生産しておりませんが、火に強く「不燃紙」「難燃紙」と呼ばれる紙があります。本や写真などへの適用例は聞いておりませんが、壁紙などに利用され、火災発生時の燃え広がり防止のため適用されています。
弊社グループ関係会社、リンテック株式会社でも、それらの特殊紙を取り扱っておりますので、詳しくはホームページをご覧ください。


消費者
トマトさん
ご回答ありがとうございました。雑誌から背糊をとるのが大変だったんですね。背糊をとるのっておそらくいろんな薬品やエネルギーが必要なんですよね。廃品回収で出す雑誌など背糊の部分を切り落として出してもらえばどうでしょうか?裁断機など使えば簡単にできると思います。御社で各町内会などに呼びかけていけば実現可能ではないかしら?

CSR室
技術調査役
伊藤

貴重なご意見をありがとうございます。
断裁機により背糊部分を切り落として雑誌古紙を集荷するということは、大幅な人件費の割り増しにつながります。そのため、個々の回収業者ではなかなか対応が難しく、実際、今まで未利用古紙がリサイクルされずに廃棄されていたというわけです。弊社の未利用古紙利用の技術は、こうした問題を解決する一助になったと考えております。今後も様々な技術開発により、社会と企業、双方のより良い発展につなげてまいります。


消費者
山腰さん
以前社内で大量に不要となった資料をリサイクルに出したのですが、ホッチキスは外さなくてもよいと言われました。ホッチキスは本当に外さなくても大丈夫ですか?どのように処理されているのですか?

CSR室
技術調査役
伊藤

古紙に含まれているホチキスの針などは、古紙を水に溶かし繊維をほぐしたあとに異物として除去されます。繊維とホチキスの針の比重の差を利用し、繊維より重いホチキスの針を沈めて除去します。そのため、繊維との比重の差が小さく、細かく分断され原料パルプに混入してしまうビニールひもやテープなどに比べると、除去が容易です。
とは言え、やはりホチキスの針なども無いに越したことはありません。オフィスやご家庭で古紙を出される際には、可能ならばホチキスの針も外していただけると幸いです。


学生
北田さん
父や母が昔読んでいた本を開くと独特の湿気ったような匂いがしたり、小さな紙の虫が住んでいて、シミができていたりします。自分が最近購入した本でもやっぱり何十年かしたらこうなってしまうのでしょうか・・・ もしかしたら紙に特殊な加工がされていて新品のままの状態が続くのでしょうか・・・ 教えて下さい!

CSR室
技術調査役
伊藤

湿気のある場所に長期間放置しておくと、カビがはえたり、また、木の繊維分や糊を餌とする虫が住みつき、食べて穴を開けてしまうことがあります。お手元の新しい本も、保存の仕方によっては同様のことが起こり得ます。これらを防ぐには、保存方法に気をつけることが一番効果的です。大切な書物は、湿気がなく、直射日光の当たらない場所に適切に保管してください。
一方、長期保存の必要の少ない新聞紙や一部の古い書物には、インクのにじみを抑えるために酸性の紙が使われており、紙を酸性化する薬品により繊維の劣化が生じるということもあります。現在では、中性でもインクのにじみが抑えられる薬品が開発され、書物などにはこの中性紙が用いられているため、そのような劣化はほとんどありません。

ステークホルダーとの対話