日本製紙グループ
人権・労働
成果主義について
対話期間2004.11.12〜2005.2.4

学生
大学5年生さん
「成果主義」についてお聞きします。日本でももてはやされた「成果主義」ですが、時間を経るごとに懐疑的な見方をする向きも多くなってきたようです。チームワークを妨げる冷たい考え方で日本人に馴染まないとか、短期的目標設定のために社員が仕事や会社に対し長期的な展望を持てなくなり、結果的に自主性を損なわせるなどいろいろと批判されていますね。
御社では成果主義をどうお考えでしょうか。実際に良いと捉えている面と逆の面をお教えいただければと思います。私は、社員が満足して仕事をしている会社こそが強い会社だと思います。年功序列こそが素晴らしいとは思いませんが、日本独自のそれにも、少なからず利点があるように思います。成果主義か終身雇用年功序列の二者択一ではなく、両者の良い点を取り入れるべきではないでしょうか。

CSR室
技術調査役
伊藤

会社が従業員の処遇を決める過程での大切な要素として、「公正さ」があげられます。誰もが同じ処遇ということではなく、頑張った人(成果を上げた人)とそうでない人の処遇にメリハリをつけ、周りからも見える差をつける事がむしろ公正さに繋がるのではないでしょうか。これにより、更なる成果の向上と個人の伸長が期待されます。
では評価されなかった場合はどうでしょう。モチベーションの低下による更なる業績低下など悪い方向に向かっては問題です。これに関しては、評価されない理由をきちんと説明し、納得を得ながら今後のあり方、目標を設定していくことが重要と考えます。当社においては、評価結果をフィードバックするルールを設定し、納得性を確保しながら育成と成果向上を図っています。
いずれの場合も、評価した結果を処遇に反映するわけですから、正しい評価が行われることが非常に重要です。ご質問の中にチームワークを妨げる、自主性を損なう等のご指摘がありますが、チームとして成果を出しそれを評価するケースもあるでしょうし、結果のみにとらわれず、その取り組み過程を含めて評価していくことも大切であると考えています。
成果主義と年功の両者の良い点を取り入れるべきとのご意見には賛成です。長年にわたって培われた知識と経験が仕事に活かされ、周囲への影響も含め有形・無形の効果が発現するものと思われます。
当社では、成果主義にこだわり、これに切り替えるということではなく、従来型の制度に成果主義を取り入れていくというスタイルをとっています。 従業員が個々の能力を発揮し、「明るく・楽しく・元気よく」仕事にあたることのできる職場環境を目指し、種々制度づくりに力を注いでいます。


消費者
Allさん
「仕事」とは、「自らの働きで社会の役にたつ」ことで、給料のために働くのではないと思っています。あらゆる仕事に優劣はなく、必要だからそれらが存在しているわけで、その中で、自分の能力を最大限に生かせる仕事に従事することが、社会人としての義務だと思うのです。給料に関しては、それぞれの人の境遇に応じて、必要なだけ受け取ることができるシステムが整っていればそれでいいと思うのです。成果主義や年功序列というこだわりは今若干必要だと思われても、持続可能な社会に向かうには、後に捨てていかなければならないものだと感じています。

CSR室
技術調査役
伊藤

仕事が給料のためだけでは面白みはありません。自分の能力を最大限活かせるよう努力し会社や社会に役立ったとき、その仕事をやり遂げた個人は喜びと充実感を得られることと思います。しかし、自己満足だけでは社会は成り立ちません。自分では最良と思われることも、また別の角度から見れば間違いや至らない部分に気付かされることがあり得ます。それらを修正し向上させるには評価のためのシステムが必要です。一方で、人は、より困難な、より責任の大きい仕事に挑戦したいと思う向上心を持っています。また、仕事の進め方がレベルアップしたり、より優れた、より大きな成果が得られるようになるよう自らが成長することにも、人は価値を見出すことができます。
弊社では、仕事の上で、どのような成果を出したか、あるいは、どれだけレベルアップしたかを公正に評価し、本人にフィードバックして成長を促し、処遇に反映させることが大切であると考えています。


消費者
Y.Tさん
成果主義については、あれこれ議論を呼んだ富士通の社長が、評価の仕方を見直すと言っているのを新聞記事で以前読みました。私も某メーカーの社員ですが、うちの会社もやはり成果主義です。社内でよく話すのは、成果主義を全ての職種に当てはめるのは無理だろうということです。成果主義が一番合うのは営業でしょう。一方で、研究などには全く合いません。一人だけで研究の成果を上げるなんて不可能でしょう。業種にもよるでしょうが、会社には、いろいろな職種があり、総務、人事もあれば経理もあり、広報もあれば、最近ではCSR担当なんていうのもあります。富士通の社長もおっしゃっていたように、同じ成果主義でも個人ではなくチームごとの評価に見直すべきものがあるはずです。御社ではチームごとの評価というものをお考えでしょうか。既に実施されているでしょうか。

CSR室
技術調査役
伊藤

おっしゃる通り、成果主義は業績評価の一つの手段であり、全ての職種や業務過程に通用する万能な評価方法とは考えておりません。
以前にもダイアログでご紹介した通り、弊社では従来型の制度に成果主義を取り入れ、さらには、評価結果を本人にフィードバックすることで納得性を確保しながら、より個々の能力を発揮しやすい職場環境づくりを目指しております。それぞれの職種や業務に見合い、チームとしての成果を評価する場合もあれば、結果のみにとらわれず、その取り組み過程を含めて評価する場合などもあります。公正で透明な評価が行われ、従業員にとって働きがいのある職場環境を実現するためにも、ケースに応じての多面的な評定を行うことが大切であると考えます。

対話期間2005.3.4〜2005.8.5
ステークホルダーとの対話