日本製紙グループ
環境・安全
再生紙は環境に良くないの?
対話期間2004.6.25〜2005.6.10

消費者
エコ人間さん
再生紙が環境に良くないとはどういうことなのでしょうか?自分は必ず環境のためにと、トイレットペーパーやティッシュなどに再生紙を選んでいました。少しショックです。再生紙ではないものを選んだほうがいいのでしょうか?

CSR室
技術調査役
伊藤

木材から生成される化学パルプによる製品は、製造過程で発生するリグニンという物質を燃焼し、エネルギーを再利用しています。そのため、化石燃料などによるエネルギーを利用した再生紙に比べ、地球温暖化抑制という点では優れています。一方、紙ごみを減らす為には古紙の再利用も不可欠です。つまり、化学パルプと古紙パルプをバランス良く利用する事が必要なのです。


学生
友川さん
再生紙を漂白する時には、たくさんの薬品やエネルギーが使われていると思いますが、もっとこの事実を消費者に具体的に知らせるべきではないでしょうか?紙は白いのが当たり前といった世の中になっていますが、消費者は、この事実をきちんと知れば必ず考え直すはずです。字が読めればいいわけですから、新聞程度の白色度のコピー用紙をスタンダード化するぐらいのことを業界リーダーとしてやっていただきたいです。

CSR室
技術調査役
伊藤

古紙パルプの漂白レベルは用途に合わせて変えています。新聞用紙は通常、白色度(白さの尺度)50〜55%で、当社製品では古紙パルプを70%以上使用しています。コピー用紙では白色度70%の製品を薦めており、本社で使用しているコピー用紙はすべてこの白色度70%品です。
しかしながらカラー印刷対応となると、どうしてもユーザーが白色度の高い紙を求める傾向にあるのが現状です。弊社では「環境報告書2003」においても再生紙の白色度を高めることは環境負荷を高めることだと記述しております。また今後も、消費者の皆様にこうした知識の提供を行ってまいります。


消費者
グリーンコンシューマー希望さん
どんな紙が環境にやさしいのかがいまひとつわかりません。御社製品の中にもあるように、トイレットペーパーにも、よく見ると色々ありますね。再生紙100%というものもあれば、おそらく何割かの古紙を使用しているもの、また、牛乳パックでできたものもありますし、もちろんふつうのパルプのものもあります。古紙っぽい色のもの、真っ白なもの、ピンクや水色のものや香り付きもあります。
再生紙が必ずしも環境上優れているとは限らないことはわかりましたが、私のように、トイレットペーパーくらいはどれでもかまわないので、せっかくなら環境負荷の少ないものを買い求めたいという時は、どれを選べば良いのでしょうか。再生紙である必要があるのか、どんな紙から再生されたものが良いのか(牛乳パックなどは余っていると聞きましたが。)一般の消費者には何をもって、おっしゃるような「バランス良く利用する」というのかがわかりません。このサイトと御社のHPで、古紙について拝見し勉強になりましたが、いざ購買の際に気をつけようと思っても、結局どれを買っていいかわからず戸惑っています。
商品を提供する側として、このあたりをもっと私たちにわかりやすく伝える努力をして欲しいと思います。

CSR室
技術調査役
伊藤

「何が一番環境にやさしいのか?」とのご質問ですが、一言でお答えするのは大変難しい問題です。なぜなら、木材チップによる紙も、再生紙も、非木材紙も、無塩素漂白による紙も、全てそれぞれの方面で環境にやさしいと言えるからです。弊社では、例えば、白さをあまり求められない段ボール・新聞紙には積極的に古紙を配合し、品質面での要求が高い洋紙等には木材チップを配合するなど、製品ごとに原料の使い分けを行うよう努めております。地球上で様々な環境問題が挙げられている以上、それぞれの問題への対応が検討されており、全ての問題に万能な解決策というものは残念ながら存在しておりません。私どもは、「環境にやさしい=再生紙」という考え方が消費者市場に蔓延しつつある中で、その考えが全てではないということをご理解いただきたく、「バランスよく利用することが大切」と声高々に申し上げております。
さて、ご指摘のトイレットペーパーは最終消費材(消耗品)であり、お使いになった後に廃棄してしまう製品です。使用後に再生ができないため、原料には古紙を多く配合したものが良いという考え方もあります。環境問題に対する関心の高まりのなかで、弊社としても製品の原料素材については、森林資源を無駄なく有効利用したパルプに加え、紙を再利用したリサイクルパルプや一般古紙の有効活用を積極的に進めております。特に弊社では、大半がゴミとなっていた牛乳パックに使われている高品質なパルプに着目しました。独自技術によりポリフィルムだけを完全除去し、回収した牛乳パックを100%リサイクルすることが可能となりました。現在では、純パルプと変らない柔らかな品質の環境対応製品を数多く製造販売しております。一般の消費者様向けには、クレシアブランドとして「牛乳パック100」を、さらに昨年秋には、スコッティブランド製品のトイレットペーパーに牛乳パック原料を一部配合致しました。また、パルプに一般古紙を配合したリサイクル製品「スコッティ ポピー」を2000年より販売致しておりますので、よろしくご検討ください。


消費者
グリーンコンシューマー希望さん
ご説明いただき有難うございました。予想はしていましたが、なかなか難しいものなのですね。消費者として、グリーン購入も何を基準にすれば良いのか、いろいろな見解もあるようですし、見極めるのが大変です。ただ、木材を原料にした紙や製紙業界について、私を含めた多くの人が、環境に良くないイメージを持っているのは事実です。おっしゃるように、再生紙=環境にやさしいという固定概念や誤解もあると思いますので、正しい知識を得たいです。もともと無関心な人もいますが、多少なりとも地球環境に関心がある人たちに誤解をされているのは問題ではないでしょうか。業界全体で、消費者に向けてもっと情報を発信したり、原料や製造工程に関する透明化をはかって欲しいです。以前別のダイアログの中で、木材にもトレーサビリティーが導入されれば良いというのがありましたが、実現すれば素晴らしいと私も思います。

CSR室
技術調査役
伊藤

ご意見ありがとうございます。
弊社の環境に対する取り組みの情報開示、および正しい知識の提供は、今後ますます力を入れて実施して行きたいと思います。
木材のトレーサビリティに関してですが、他社のダイアログにもあるように、最終製品(新聞・雑誌等)を対象とした場合には紙一枚一枚に当社製品という情報を記録することができません。紙は当社から製品出荷した後に各加工メーカーにて断裁・印刷されるということやそれ自体が情報掲載のツールであるという性格を持っていることから、当社情報等の記載は困難と思われます。しかし、文具・事務用紙やティッシュペーパー等を対象とした場合には原料の記載が可能と思われます。現在、GPN(グリーン購入ネットワーク:詳しくはこちら)におけるワーキンググループでは、当社も参加して、原料等情報記載についての項目も含む紙製品ガイドラインの作成を検討中です。


消費者
エコロジーママさん
どれが本当に環境にやさしい紙なのかという以前に、どんな紙でも大切に使うことではないでしょうか。私はチラシでもカレンダーでも、捨てる前に再利用するようにしていますが、以前小学生の息子にケチだと言われたことがあります。紙は木からできていて、木が育つのには長い時間がかかるだとか、人間が使う木が多すぎて育つのが待てないから、森がどんどん減っているとか、話して聞かせたところ、それから息子もメモ用紙を手作りしたりするようになりました。今の日本の子供の中で、紙が資源として大切なものだと思っている子がいるでしょうか。あって当たり前だと、気にもとめていないように思います。これは大人の責任ですよね。新聞には毎日見もしない折込チラシが夥しい量で入ってきます。街頭でもほとんどの人にとって不必要なビラを配っています。ウェブ上の情報も、その場限りですぐにプリントしては捨てています。これでは子供達に、紙は何の価値もないゴミのようなものだと思われても無理はありません。家庭や学校での日頃の教育が大事ですが、そもそも大人がわかっていないのですから、製紙会社さんが自ら、紙の大切さをもっとPRしてはいかがでしょうか。私たちがこれまで、限りある資源を大切に使ってこなかったことが原因で、地球環境は危機に瀕しているのですから。

CSR室
技術調査役
伊藤
おっしゃられるように、どんな紙でも大切に使うというのはもちろんであり、弊社でもそれは大前提と考えております。しかし、紙のない生活は実際不可能であり、その中で、環境に配慮した製造および利用を、ということで解説させていただいております。また、紙は原料となる木を育てることができ、使用後には再利用できるという点から、他の媒体に比べ環境に配慮した製品であるということもご理解ください。
とは言え、資源を無駄に使うことは許されません。これは紙に限らず、プラスチックゴミや、さらには自転車の乗り捨てなどといった問題にも及ぶことと思います。その中で、私どもが利用者の方々に紙の大切さをもっとPRしなければならないとのご意見はもっともで、弊社としても今後ますます力を入れてPRを行い、消費者の方々と一緒になって地球環境の保護を推進してまいります。また、今回のようなご家庭での教育も各地で積極的に行い、特に、これからの日本を背負って立つ若者や子どもたちに、資源を大切にしなければならないことを理解させ、「消費国家日本」からの脱却を図って行かなければならないと考えます。

消費者
坂井さん
エコロジーママさんのおっしゃることはもっともですね。
以前、小学校で、途上国の子供達に学習用のノートを贈ろうと、家の中に眠っている使いさしのノート等を募ったら、すごい数になって驚きました。日本の子供達は、ノートを使い切らずに買い替えることが多いようですが、そんな使いかけの中古品でも、大喜びしてもらえました。これに限らず、日本における紙の無駄使いは目に余るものがあります。紙は再生可能な資源であるとはいっても、使い捨てされているものも沢山ありますし、第一、日頃から紙は大切な資源だと思っている人が、大人の中にもどれほどいるか疑問です。まさに、未だ持って「消費国家日本」ですね。他のダイアログで、間伐材を使ったのノートを学校に配布するというアイディアがあがっていましたが、そうした方法で子供達への意識づけをするのは非常に効果的だと思います。親は、子供に「環境のためにも紙は大事にしないとダメなんだよ!」などと言われるとドキッとするものです。逆に子供から大人を教育してもらう方が良いかもしれません。製紙会社さんも、こうした子供の教育に是非一役かってください

CSR室
技術調査役
伊藤
ご意見、ありがとうございます。
人間は、生活する以上、少なからず環境に影響を与えることはやむを得ません。しかし、自然の再生能力を超え、無駄を見過ごし便利な生活を求めることは、許されないことであり、時代は、もはやそのような考え方は通用しない段階にまできてしまっているのだと思います。弊社では、社会貢献の一環として、近隣の小・中学校への出張授業なども実施しておりますが、一人でも多くの子どもたちに、紙の大切さを理解していただけるよう工夫したいと思います。
対話期間2004.6.25〜2005.6.10
ステークホルダーとの対話