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日本製紙グループについて
技術研究所

新しい紙や高品質の紙の開発には、原料からその使用状況までを体系的にとらえる視点が必要です。木材資源からパルプ化、抄紙、塗工、さらには印刷までの全工程について一貫した研究開体制を整えています。紙パルプ全般にわたる技術開発と多種多様の紙を開発、当社各工場への技術的サポートを行っています。

環境に優しいパルプ漂白法 古紙資源の有効活用
パルプから紙へ 時代のニーズが塗工紙を進化させる
塗工層が塗工紙の品質を決める 製紙用材料が紙を変える
品質を支える力 理想の印刷用紙を届けるために
工場への架け橋

 

Pulping環境に優しいパルプ漂白法 白い紙を作るのに必要不可欠な漂白。これをできるだけ環境に優しい方法で行える技術を研究しています

他社に先駆けるECF技術開発
ECFとは塩素ガスを使わない環境に優しいパルプ漂白法で、現在世界標準となりつつあります。この方法によりAOX(吸着性有機ハロゲン化合物)やクロロホルムといった環境負荷物質の発生を極めて少なくすることができます。日本製紙では他社に先駆けECF漂白に取り組み、1996年に釧路工場で日本初の二酸化塩素ECF漂白法を実施し、2001年には勇払工場で日本初のオゾンECF漂白を実施しました。また、2003年には薬品使用量の削減が図れ、さらに環境に優しい加温酸処理とオゾン漂白を組み合わせた先進的なECF漂白法を日本で初めて八代工場に導入しました。その他の工場についても順次ECF化を推進していきます。

オゾン発生装置
オゾン発生装置
  勇払工場オゾンECF化に伴う環境負荷物質発生量の変化

酸処理+オゾンECF漂白法酸処理+オゾンECF漂白法

 

Wastepaper Recycling古紙資源の有効活用 古紙配合率を高める技術やグレードの低い古紙を利用できる技術の開発を行っています。

 

低グレード古紙の利用
低グレード古紙にはトナーや背糊など品質に悪影響を及ぼす異物が多く含まれているため、家庭紙や板紙以外には使用できませんでした。
  数年にわたる研究により脱墨パルプの製造技術を改良し、紙製品に使用できる割合を徐々に高め、その結果、当社の新聞用紙への脱墨パルプ配合率を平均70%まで引き上げることができました。画像処理装置今後は、75%を目標に配合率を高めていきます。また、さらに利用困難な古紙グレードの利用技術の開発を進め、古紙資源の有効利用による森林資源の保護を推進したいと考えています。

画像処理装置

日本製紙の古紙利用率推移   残留インキ測定装置
残留インキ測定装置

印刷された紙の断面図印刷された紙の断面図

 

Paper Makingパルプから紙へ 水に分散したパルプをワイヤー(網)上に広げ紙層を形成する工程には、多彩な技術が応用され、さまざまな用途に対応した紙が作られます。

オンラインゼータ電位測定装置オンラインゼータ電位測定装置   抄紙の技術
抄紙機のウエットエンドと呼ばれる、原料混合工程から紙層構造が形成されるプレス部までにおいて、安定した高品質の紙を製造するために、原料の凝集やピッチトラブルの制御、各種内添薬品の効果に関する研究が重要です。
独自のオンラインゼータ電位測定装置を用い原料の凝集の制御を行っています。

 

紙層構造のオンライン計測
ワイヤー部で形成される紙層構造は、紙の基本的性質を決定します。抄紙を流体力学としてとらえ、繊維の並び方(配向)を制御する技術を確立し、また世界に先駆けてオンライン繊維配向計を開発しました。この技術により高品質な紙を安定して製造することが可能となりました。

オンライン繊維配向計の光学原理オンライン繊維配向計の光学原理   紙表面の繊維配向
紙表面の繊維配向


かさ高非塗工紙
かさ高非塗工紙が使用されている書籍・雑誌
かさ高非塗工紙が使用されている書籍・雑誌
原材料と抄紙工程の最適化により紙を軽く厚くソフト(柔軟)にするかさ高技術を開発しました。この技術をさまざまな用途に応用し、各種かさ高紙の開発に取り組んでいます。
 一般上質紙の密度は0.85g/cm3程度ですが、かさ高技術の応用により密度が0.60g/cm3の上質書籍用紙「オペラクリームウルトラ」、0.45g/cm3の中質書籍用紙「リーフバルキータフ」、0.35g/cm3のかさ高非塗工紙中質本文用紙「ダイヤモンドバルキー」などを開発しました。



     
     
かさ高紙の断面写真

   
かさ高上質書籍用紙(密度0.60g/cm3)
かさ高上質書籍用紙(密度0.60g/cm3
  一般上質紙(密度0.85g/cm3)
一般上質紙(密度0.85g/cm3

高品質な新聞用紙

世界的に高い評価を得ている新聞用紙のさらなる軽量化、高品質化に取り組んでいます。カラー面の増加、印刷スピードの上昇など新聞印刷の進歩にあわせて、紙に最大限の機能を付与し、対応しています。また、環境に優しくかつ高品質な新聞用紙をめざして、古紙の高配合化、中性抄造技術に取り組んでいます。

新聞用紙
新聞用紙
   

 

Coating時代のニーズが塗工紙を進化させる 塗工紙は非塗工紙に比べて密度が高いため、ページ数の多いものでは冊子が重くなっていました。当社独自の軽量化技術は、従来にない軽量な冊子を生み出しました。

かさ高コート紙
紙の光沢は金属ロールで紙の厚みをつぶして得られるため、紙の密度は高くなります。当社のかさ高コート紙は抄紙・塗工の新技術により従来品と同等の品質を維持しながら、15〜20%の低密度化を達成しています。なかでも「PlumyGloss-1」は高光沢上質コート(A2グロス)紙の常識を覆す軽さを実現しました。

かさ高コート紙が使用されている書籍・雑誌
かさ高コート紙が使用されている書籍・雑誌
  当社独自の軽量化図

 

Pulp & Paper塗工層が塗工紙の品質を決める 新たな製品の開発には、その基本となる技術の確立が必要です。

塗工層構造の最適化
塗工層は紙に平滑性、インキ受理性を付与することで印刷適性を向上します。塗工層は原紙層より密度が高くなるため、特にかさ高コート紙では、低塗工量で均一な塗工層をつくる技術を確立しています。  また、女性誌などビジュアル性の高い用途で多く使用されるグラビア印刷では、網点の転移性が重要です。優れた網点の転移性を得るためには、柔らかい塗工層にする必要があります。当社では、塗工層硬さ解析技術を独自に開発し、より高品質なグラビア印刷用紙の設計に役立てています。

均一な塗工層
 
均一な塗工層木均一な塗工層
     
グラビア印刷物の網点拡大写真
グラビア印刷物の網点拡大写真
(上:良好、下:不良)
 

塗工層硬さ解析結果

   
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Functional Papermaking Materials製紙用材料が紙を変える 高まる紙への要求品質に対応するため高機能な製紙用材料を開発しています。また、これらを自社生産することにより環境負荷低減も実現しています。

製紙用無機材料の開発
紙は白さや不透明性を向上させるため、副原料として軽質炭酸カルシウム(軽カル)などの無機填料、顔料が多く使われています。軽カルの製造工程での反応を制御してその形態を最適化し高機能化する研究や、またコスト競争力を高めるために自社工場で生産する技術の開発を行っています。この軽カルの製造工程は、工場から排出されるCO2ガスを減らす環境に優しいシステムです。
さらに、新聞用紙に利用される高性能ホワイトカーボンも自社生産し、新聞用紙の超々軽量化、脱墨パルプの高度利用化に貢献しています。

炭酸カルシウム(軽カル)の製造
炭酸カルシウム(軽カル)の製造
炭酸カルシウム(軽カル)の製造

ホワイトカーボン(WC)の製造

苛性化軽カル
苛性化法軽カル
  炭酸ガス法軽カル
炭酸ガス法軽カル
  ホワイトカーボン
ホワイトカーボン

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Analysis品質を支える力 既存製品の品質向上や新製品の開発には、基礎となる分析技術が重要です。高い分析技術が製品の研究開発に役立っています。

フーリエ変換核磁気共鳴装置 高度な機器による分析研究
各種走査電子顕微鏡、IR(赤外分光光度計)、MASS(質量分析装置)など最新の分析装置を導入して、紙の微量成分、紙層構造解析、紙中の填料・顔料あるいはバインダーの組成や分布の分析を行っています。

純曲げ試験機
純曲げ試験機

分析機器の自社開発
紙を手で触れた感触や目で見た風合いは、人が感じる微妙な感覚ですが、既存の機器では数値化が困難でした。当社では紙のしなやかさを測定する純曲げ試験機やコート紙の面感を測定するスキャニングマイクログロスメーターを開発し、品質評価および新商品開発に役立てています。微塗工紙表面の鳥瞰図(レーザー顕微鏡測定)

微塗工紙表面の鳥瞰図
(レーザー顕微鏡測定)

 
電界放射型走査電子顕微鏡
電界放射型走査電子顕微鏡
   
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Printing理想の印刷用紙を届けるために

印刷用紙では、印刷品質や印刷作業性が重要です。オフセット、グラビアなどの方式に対応するため、小型試験機から大型実用機までの各種印刷機を取り揃え、また、テスト内容に最適な印刷図柄の版を作成するためCTP製版機なども備え、ユーザーに近い立場から紙の印刷評価が行えるよう万全な体制を整えています。
オフセット輪転機
オフセット輪転機

グラビア輪転機
グラビア輪転機
  4色枚葉オフセット印刷機
4色枚葉オフセット印刷機
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Pilot Plant工場への架け橋

テストプラントには原料パルプの調成から抄紙機、コーター、最終仕上げまでの一貫したテスト設備があります。特に高速テストコーターでは、新しい設計の塗料を用いた試作を行い、製品の改良や開発を進めています。また、新規導入した高温ソフトニップカレンダー装置を活用し、新製品の開発を推進しています。

高温ソフトニップカレンダー
高温ソフトニップカレンダー
  テスト抄紙機
テスト抄紙機
  高速コーター
高速コーター
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